納骨堂と中小企業診断士

納骨堂と中小企業診断士 経営に関する概念

納骨堂と中小企業診断士 経営に関する概念

納骨堂と中小企業診断士という資格取得の過程で身についた経営に関する概念等を書きます。

「戦略策定フロー」という考え方

 環境変化の激しい現代において企業がどのように自社の方向性を見出していくかの考え方です。
自社の経営理念の確認→自社を取り巻く環境分析(外部環境、内部経営経営資源)→市場細分化→市場ターゲットの明確化→製品・サービスの適合化とコンセプトの明確化→最適マーケティング・ミックスの策定というフローです。
この戦略策定フローは事例問題を解くときに活用しました。受験生だれでもが知っているフローなので、コンセプトの明確化と最適マーケケィング・ミックスの策定の箇所が独自性の出しどころとなります。
仕事で経営革新計画の承認をしていましたが、経営コンサルタントが作成してくる申請書はほとんどがこのフローを基に作ってきていました。
私は、2次試験の勉強中にこのフローで事例問題を解答していたのですが、コンセプトの明確化とマーケケィング・ミックスで陳腐なアイデアしか思いつかないことが多かったです。
センスがなかったのでしょう。
しかし、このフローの意味するところを理解するのは、経営に関する相当の知識が必要になります。
経営理念とは、外部環境とは、内部経営資源とは、市場細分化とは等それぞれの内容がしっかり理解できてフローが理解できるのです。
新聞で企業の記事を読むとき、フローのどの段階の内容が書かれているのか意識して読むことしています。
このフローは企業を読み解くのにたいへん役立つ考え方だ思っています。
その考え方を勉強できたことが資格取得の過程で身についた財産です。

「マーケティング」とは「マーケット」と「イング」

 「マーケィング」は学生時代から聞いてきた言葉ですが、日本語訳がなくそのまま使われています。
マーケティングは市場細分化、市場ターゲットの明確化、最適なマーケテング・ミックスの策定(いわゆる4Pの組み合わせ)が核になる考え方です。
4Pとは、製品、価格、チャネル、セールスプロモーションで市場ターゲット(顧客)への最適な提供方策を考えるのがマーケティングです。
結局、マーケテングとなにかと思っていました。

 このマーケケィングという日本語訳がない言葉に対して、明確に定義してくれた講義がありました。
松田先生という方の講義でした。
先生はほんとうにセンスのある方でした。
しっかりとした自分の理論を持っている方でした。
先生がマーケティングの講義で話された言葉によって私はマーケティングの輪郭が見えました。
「マーケティング」とは「マーケット」「イング」である。
つまり、自社のマーケットを作ることである。
縄張りを作ることである。
そのために顧客を絞りこみ、囲い込みをするために自社の持っている経営資源を最適に組み合わせるという言葉です。
縄張り争いがマーケティング、なるほどねえと思いました。
いまでもマーケティングとは縄張り争いだと思っています。

階層性と分類基準という考え方

 診断士のよく使う言葉に「切り口」というものがあります。「切り口」の考え方の背後には、階層性と分類基準という考え方があると思います。
この階層性と分類基準も松田先生から何度も説明された言葉です。

 経営を考える場合に階層性とは、たとえばこんなことです。
マネジメントサイクルは経営管理の核です。
しかし、マネジメントサイクルは「計画→組織化→モチベーション→評価」のPOMCと「計画→実行→振り返り」のPDSがあります。
マネジメントサイクルは経営者層と管理者層、監督者層の階層の違いにより区別して考えなくてはならないということです。
階層性を意識すると、話題になっていることがどの段階のことか考えることで企業の全体像が見えてくるわけです。

 分類基準とは分けて考えることによって、ものごとが詳細に見えてくるという考え方です。
たとえば企業の進むべき方向を見出す手法として「ポジショニング」というものがあります。
縦軸と横軸にある指標(たとえば価格と顧客層)から自社のポジションを見極めて進むべき方向を意思決定する考え方です。
分類基準としてなにを軸とするかによって方向性がことなってくるわけですから、分類基準を意識すしているかいないかは重要なことです。
なお、ポジショニングは片野先生に教えていただいた方法論です。



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